葬儀社の集客方法の1つとして葬儀系ポータルサイトがあります。
「地元のお客さんだけでは件数が足りない」
「ネット集客を始めるのにポータルサイトへの掲載を検討している」
「どのポータルサイトがいいのか分からない。個別に問合わせるのは面倒」
そんな葬儀社様に向けて、「小さなお葬式」「よりそうお葬式」「いい葬儀」など代表的な葬儀のポータルサイトの特徴や、メリットデメリットをご紹介します。
これを読めばそれぞれのポータルサイトの特徴が理解でき、自社に合うサイトはどれかが分かるでしょう。
まずは葬儀系ポータルサイトの特徴について紹介します。葬儀のポータルサイトには大きく2種類に分かれ、特徴が大きく異なります。
サイト運営側が、葬儀の内容や定額料金プランを設定し、窓口となって受付を行うパターンです。
葬儀社は定められた内容と料金プランで施行をします。
その場合には、葬儀社の名前や料金プランがサイト上に出ることはほとんどありません。
自社斎場を持っている場合には、対応可能な斎場として掲載されるケースが多いです。
葬儀社が自社で設定した料金プランで施行をするパターンです。サイト上の名前や自社の料金プラン
、サービス内容などが表示されます。
自社プラン型の中にも、オペレーターが各葬儀社にお客さんを紹介するパターンと、サイトに掲載されている葬儀社にお客さんが
直接問合せをする形に分かれます。
運営会社:株式会社ユニクエスト
現状葬儀のポータルサイトとして一番勢力があると思われるのが株式会社ユニクエストが運営する「小さなお葬式」です。
リスティング広告、アフィリエイト広告、アドセンス広告、テレビCMと様々な広告で登場します。
低価格、かつ定額のプランを大々的に打ち出すことで、消費者からの注目を集める小さなお葬式。
2020年3月時点で累計24万件の施行実績を誇っています。
小さなお葬式は、消費者向けに小さなお葬式のプランを用意、受付窓口となり、施行を行うのは地域の葬儀社です。
そして施行が終了したら数%の手数料を小さなお葬式側に支払うことになります。
実際に葬儀を行うのは地元の葬儀社ですが、小さなお葬式ブランドが確立しているため、消費者が「小さなお葬式」という、いち葬儀社と勘違いしていることもあります。
小さなお葬式に掲載するメリットは、圧倒的資本力に基づいた集客力です。
リスティング広告、アフィリエイト広告、アドセンス広告と、ネット広告に軒並み資金を投入しているので、ネットで葬儀を探している人の多くが小さなお葬式を目にすることになります。
これだけのことを自社で行うのは、ノウハウ的にも資金的にも簡単ではありません。
またテレビ広告も放送し、確実に消費者からの認知度を高めています。
デメリットとして注意すべき点は、小さなお葬式の集客力はあれども、そこに自社の情報が掲載されているとは限らない点です。
「小さなお葬式」というブランドとして集客を行っているため、自社についての情報はサイト上にほとんどでない、自社斎場があれば対応葬儀社として掲載されますが、
自社斎場がなければ情報は出ません。
消費者は小さなお葬式に連絡をして、オペレーターが適切な葬儀社に仕事を渡すため、ほぼ小さなお葬式の集客力と仕事の割り振りの裁量に依存することになります。
また小さなお葬式を運営する株式会社ユニクエストは、埼玉県を中心に数多くの葬儀場を運営するアルファクラブの子会社です。
そのためアルファクラブの勢力がある地域では、ほとんどさがみ典礼が葬儀を行っているのではないかという疑惑もあります。
運営会社:株式会社よりそう
運営会社:株式会社よりそう
よりそうお葬式も小さなお葬式に続く葬儀のポータルサイトの大きな勢力です。
株式会社よりそうが運営しています。
ビジネスモデルも小さなお葬式と同様。「よりそうお葬式」というブランドで集客を行い、葬儀の受付窓口となり、実際に葬儀を行うのは地元の葬儀社です。
小さなお葬式に比べると、加盟葬儀社は地域に密着した葬儀社の方が多いと言われています。
こちらのメリットも圧倒的な資本力に裏付けられた集客力です。
運営元の株式会社よりそうは、2019年に約20億円のベンチャーキャピタルを調達し、広告やコールセンター人材に膨大な資金を投入しています。
2020年以降からは、テレビCMも開始。
着実に消費者への知名度を高めつつあります。
年間50,000件以上の相談件数を誇っていることからもその集客力の強さが分かりますね。
デメリットも小さなお葬式と同様です。ビジネスモデルが同じ小さなお葬式と同様、自社の名前で集客ができないというデメリットがあります。
また施行するプランもよりそうで用意された内容で行わなければならないため、お客様の状況に合わせて融通を利かせるということも難しくなります。
またよりそうお葬式の集客力が
高いのは確かですが、小さなお葬式と比べると劣ります。
その分プラン料金が小さなお葬式よりも低価格です。小さなお葬式との価格勝負になったとすると、そのしわ寄せをくらうのは
葬儀を施行する葬儀社の利益分です。1件当たりの葬儀社の利益率が下がっていくことになってしまいます。
その分件数が増えればいいですが、社員が疲弊してしまったり利益の低さから
モチベーション低下に陥る可能性もぬぐい切れません。
そのため当たり前ですが施行プランの価格や手数料の利率の変更などについては要確認です。
運営会社:株式会社鎌倉新書
東証一部上場企業の株式会社鎌倉新書が運営する「いい葬儀」は自社プラン型のポータルサイトです。自社プラン型の中では現在最も大きなサイトでしょう。
いい葬儀のサイト内には、提携している葬儀社や、貸し斎場、火葬場の情報が詳細に記載されています。提携をしていない葬儀社に関しては住所などの基本情報のみが掲載されています。
いい葬儀のサイト上に掲載されている電話番号に電話をかけるとコールセンターにつながるという点は定額プラン型と同じです。
オペレーターがお客様の情報や状況を聞き取り、適切な葬儀社に対応を依頼します。
依頼を受けた葬儀社は、見積りを出したり搬送に行くために遺族と連絡を取ったりと、依頼を受けた後は通常の対応と変わりありません。
施行も自社の料金プランで行うことができます。
そして施行単価に応じて
既定の割合の手数料を支払うことになります。
いい葬儀と提携するメリットは大きく2つあります。1つはやはり集客力です。葬儀社をまだ決めていない層が検索をするキーワードは「市区町村名 葬儀」または「地名 葬儀」等です。
いい葬儀はほとんどの地域名と葬儀系ワードで検索順位の上位を占めています。
そして年間の累計相談数は約1万件。自社プラン型のポータルサイトの中では現状最も集客力の高いサイトです。
地域名で葬儀社を探している人を自社のweb対策だけで拾うのはとても難しいですが、その点をいい葬儀では網羅してくれているので新たな販路開拓となりますね。
2つ目のメリットは自社の名前での集客、
自社プランでの施行ができるという点です。自社の名前の認知を広げられるうえ、自社プラン施行なので適切な単価や利益を確保しやすい、というのも大きなメリットです。
いい葬儀と提携するデメリットとして注意すべき点は、広告費についてです。
基本的には掲載料無料の成果報酬型ですが、サイト内で目立つ場所に表示されるためには広告費を支払う必要があります。
大手などでは月に100万円以上支払っており、トップページ・地域の葬儀社一覧ページなどの目立つ位置に表示されています。反対にいうと広告費を出していないとサイト内での露出を高めることが困難です。
いい葬儀側としては広告費を支払ってもらっている以上、その葬儀社に多くのお客さんを紹介する必要が出てきます。
そのため特定の葬儀社が決まっていないお客さんには優先的に広告費を支払っている葬儀社を
紹介するのは当然です。広告費を支払っている以上、それぐらいの恩恵はないとやってらんないですし、広告費を支払っていない葬儀社としても納得はいくでしょう。
しかし時に「この葬儀社がいいかも」と思って
電話した人に対しても、広告費を支払っている葬儀社を紹介することもあります。
仕方ないという部分もありますが、支払っていない葬儀社としてはなんだか納得感が薄いですよね。
いい葬儀である程度の紹介を
期待するのであれば、広告費を支払うことが必要になります。
運営会社:株式会社エス・エム・エス
いい葬儀と同じく東証一部上場企業で、介護分野で強みを持つ株式会社エス・エム・エスが運営する「安心葬儀」
自社プラン型のポータルサイトです。
各葬儀社・斎場・火葬場の情報が詳細に記載されています。
安心葬儀の場合は、提携していない葬儀社などには
「非提携」と分かるように記載されているのが特徴的です。
安心葬儀に掲載する際には、2つの掲載プランから選ぶことができます。
1つ目は無料掲載プランです。
自社の方法を詳細に登録出来ます。特筆すべきは通常ポータルサイトではあまりない、自社の電話番号と自社HPのリンクを貼れるという点です。
自社サイトや自社への直接の問合せの導線となります。完全無料にもかかわらずかなり詳細な情報まで掲載できるのが特徴的です。
2つ目は成果報酬型の掲載プランです。
こちらも無料掲載プランと同様に、自社の情報を詳細に掲載することができます。しかし有料プランの場合には自社HPや自社の電話番号ではなく、安心葬儀のコールセンターにつながる番号が掲載されます。
その分エリアなどの検索で入ってきたお客様などを紹介してくれるのが有料掲載プランの特徴です。
そして施行を行った場合のみ紹介手数料が発生します。
安心葬儀と提携するメリットは、自社の情報をかなり詳細に掲載できるという点です。基本情報はもちろんのこと、自社の料金プラン、自社の特徴やポイントなど かなり詳細な情報を登録することができます。紹介はないものの無料プランであれば自社HPや自社の電話番号を載せることができるという点は 他のポータルサイトにはないメリットです。被リンクにもなるため自社HPのSEO対策としても多少有効に働くことになります。
デメリットは大きく2つです。
1つはその情報の豊富さ故に登録作業が大変なことです。
安心葬儀では専用の管理画面から自身で情報を登録します。
成果報酬型の有料プランの場合、情報の掲載量が紹介する葬儀社の順番のアルゴリズムに組み込まれているため、より多くの情報を登録した方が得です。
日々の業務の中で
情報更新を続けるのはなかなか大変ですね。
2つ目は価格勝負になりがちで単価が下がる可能性があるという点です。
安心葬儀はコールセンターに問合わせた利用者に対して、最大3社の見積りを提示します。
相見積もりをしたら価格勝負になってしまうのは自明です。そのため単価をある程度下げないと受注しにくいというデメリットがあります。
運営会社:株式会社ディライト
葬儀の口コミも自社プラン型のポータルサイトの1つです。
関東圏で葬儀業界への人材派遣業を行う株式会社ディライトが運営しています。
いい葬儀や安心葬儀と異なる点は、オペレーターがいない点です。
どういうことかというと葬儀社各社にそれぞれ違う電話番号が発行され、その電話番号は各葬儀社に転送される番号となります。
そしてその番号は葬儀の口コミ内の各葬儀社のページに表示されます。
そのページを見た消費者が電話をかけると葬儀社に転送され直接葬儀社と話ができるという仕組みです。
現状ポータルサイトの中で、オペレーターがいないのは葬儀の口コミのみです。
葬儀社は通常通り消費者から電話が来た時のように対応します。
そして葬儀を受注した時には
葬儀の口コミに連絡し、紹介手数料が発生します。
葬儀の口コミと提携するメリットは大きく2つです。1つは広告費をかけずとも上位表示される可能性があることです。
葬儀の口コミ内には広告枠は一切設けられていません。
上位表示されるアルゴリズムは情報量や口コミ評価順。
広告費をかけなくても口コミを多く集められれば上位表示することが出来ます。
「そんな簡単に集められない」という場合も大丈夫。葬儀の口コミではお客様からもらったアンケートやお礼の手紙も「お客様の声」として掲載可能です。
2つめはオペレーターがいない点です。直接利用者からの電話がつながるため、他サイトのように他社に流される心配はありません。技術上それは不可能だからです。
また直接利用者の
状況や要望をヒアリングでき、提案できることから受注率が高くなります。受注率は50%前後と他サイトに比べ高水準です。
葬儀の口コミと提携するデメリットは、他のサイトと同様にもともと自社を知っていた人も葬儀の口コミを見て連絡をする可能性があるという点です。
特に葬儀の口コミは、葬儀社と利用者の電話が直接つながるため、サイト経由で連絡したことに利用者自身も気づかない可能性があります。
もしリピーターや会員など事前に
利用者との折衝があれば、手数料は発生しないそうですがそうでない場合には手数料が発生します。
他社に流される心配がないだけいいですが、納得できない部分もあるかもしれません。
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